アドホックモードとは? その概要や仕組みについて解説

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「アドホックモード」とは、無線LAN通信における通信方式の1つです。アドホックモードの特徴や仕組み、メリット・デメリットに加え、「アドホックネットワーク」というアドホックモードと混同しやすい概念も紹介します。アドホックモードと対をなす通信方式、「インフラストラクチャーモード」の違いにも言及し、詳しく解説します。 

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アドホックモードとは

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先輩、さっきのミーティングで「アドホックモード」という言葉が出てきました。アドホックモードとはなんですか? 

今回はアドホックモードね。アドホックモードとは、無線LANアクセスポイントと無線LANクライアント(デバイス)でできている無線LANネットワークで、アクセスポイントを経由しないでクライアント同士で直接通信する方式ね。身近な例でいうと、PCからプリンターへの印刷データの送信があるわね。

プリンターの例はとてもわかりやすいですね。 

それで、セキュリティ対策として「WEP方式」と呼ばれる暗号化技術が採用されているの。アドホックモードでの通信は11で行われ、複数の端末でネットワークを形成する機能は無い。ちなみに「ad hoc(アドホック)」とは「その場限り」や「一時的な」という意味を指していて、アドホックモードがいかに簡易的なものかわかるわね。 

アドホックにそのような意味があったのですね。 

インフラストラクチャーモードとの違い

そういえば以前インフラストラクチャーモードについて説明したよね。アドホックモードとインフラストラクチャーモードはセットで覚えた方が良いから、ここで説明しておくね。

ぜひお願いします! 

インフラストラクチャーモードはクライアント同士の通信の際に、必ずアクセスポイントを経由しているの。アドホックモードはアクセスポイントを経由しないから、そこがこの2つのモードの本質的な違いね。また、インフラストラクチャーモードはアクセスポイントや無線LANに対応した周辺機器を準備する必要があるけれど、アドホックモードは無線LANクライアント同士であれば周辺機器を用意する必要はないわ。 

通信台数も関係していそうですね。 

そうね。アドホックモードは11の通信だけど、インフラストラクチャーモードは複数のクライアントと同時にやり取りができるの。またクライアント同士の通信を行っている間、アドホックモードではインターネット利用ができないけれど、インフラストラクチャーモードそれができる点も両者の違いね。 

▶インフラストラクチャーモードとは? その概要や設定方法について解説

アドホックモードで送信するMACアドレス

インフラストラクチャーモードでも話が出たけれど、無線LAN(IEEE802.11)のフレーム構造にはMACアドレスのフィールド(要素)4つあるの。 

MACアドレスは、その機器特有の番号でしたよね。 

その通り。アドホックモードで送信されるフレームのMACアドレスフィールドには、1つ目に宛先デバイスのMACアドレス、2つ目に送信元デバイスのMACアドレス、3つ目にはユーザーが定義したIDがセットされ、4つ目のフィールドには何もセットされないわ。 

これも「そういうもの」と覚えるのが良さそうですね。 

アドホックモードのメリット・デメリット

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アドホックモードについて、なんとなく掴めてきたかな? 

なんとなくは掴めてきました。ところでアドホックモードのメリットとデメリットはどのようなものがあるのですか? 

インフラストラクチャーモードと比較しながら見ていくね。 

アドホックモードのメリット

まずはアドホックモードのメリットからね。さっき説明したけれど、アドホックモードではアクセスポイントや無線LANに対応した周辺機器がなくても、無線LANに対応したクライアント同士であれば簡単に無線LAN環境を作れるの。場所を問わずデータ共有ができる手軽さがあり、PC同士の簡易的なファイルのやり取りなどに適しているわ。 

アドホックモードのデメリット

対してデメリットだけれど、アドホックモードができるのは1対1の通信だけなの。通信中はインターネット利用ができないし、インフラストラクチャーモードに比べて通信速度も速くないので、通信の効率性もあまりよくないわね。 

そう考えると、アドホックモードの用途は限られそうですね。 

また、暗号化された通信が解読されるリスクが高い点もデメリット。アドホックモードで使用されている暗号化の方式を「WEP方式」というのだけれど、Wi-Fi初期の暗号化方式なのよね。だからWEPキーを簡単に割り出すことができ、悪意のある人によってWEPキーが流出してしまい、ネットワーク全体の情報を外部に晒してしまうこともありえるの。その脆弱性が指摘されているわ。 

セキュリティの面でも問題があるのですね。 

あとは、アドホックモードで接続している時に、無線LANを使用する他の周辺機器の動作に支障をきたす場合があるの。繰り返しアドホックモードを使用する際に、再起動しなければならないケースもあるわね。アドホックモードは用意する機器が少ない手軽さはあるけれど、インフラストラクチャーモードと比べてもセットアップが面倒な点は否めないわね。 

アドホックネットワークとは

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ところで、アドホックモードと混同しやすい概念として「アドホックネットワーク」があるけれど、これは知っているかな? 

知りませんでした。詳しく教えてください! 

アドホックネットワークは、基地局やアクセスポイントなどの中継インフラに依存せずに、端末のみで構成されたネットワークよ。アドホックモードは無線LAN通信におけるアドホックネットワークだけど、アドホックネットワークが「マルチホップ通信」を前提とする場合が多い点で異なる概念と言えるわね。 

マルチポップ通信とは何ですか? 

マルチホップ通信は、直接通信できないクライアント同士の通信においてバケツリレー式にデータの転送を繰り返し、広範囲に及ぶネットワークを形成する技術よ。基地局整備しなくても良いので、非常時の通信インフラや自動運転技術の分野での応用が研究されているわ。 

つまりは、アドホックモードは構内ネットワークにおける通信方式で、アドホックネットワークは無線通信の範囲外との通信を想定しているですね。 

その通り! 

アドホックモードは社内ネットワークに適用できる?

アドホックモードは、社内インフラの整備なしに通信を可能にするものの、通信の効率性やセキュリティ対策の面で、インフラストラクチャーモードに劣ってしまうデメリットが数多く挙げられました。社内ネットワークの構築においては、やはりアクセスポイントを用いたインフラストラクチャーモードが一般的です。企業に合わせた適切なネットワーク製品の選択により、スムーズな接続が可能となります。 

 

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