ユニキャストアドレスとは? 1対1通信の基本となるIPアドレスを解説

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メールの送受信やインターネットの閲覧、チャットなど、ほとんどのWebでのやりとりはユニキャストアドレスが使われています。これは昔のインターネットが、専用線でコンピュータ同士を結んでいたことの名残と言えるでしょう。ユニキャストアドレスの概要について、その種類やメリット・デメリットとともに本記事で解説します。 

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ユニキャストアドレスとは

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最近、アヤカさん以外の先輩とも仲良くしていただいているのですがの、一人の方がしきりに「ユニキャストアドレスがどうこう」と言っていました。ユニキャストアドレスってなんですか?

心配だったけど、ようやく会社に馴染めてきたのね…。ユニキャストアドレスというのは、ネットワークにおいて1対1の通信で使われるIPアドレスよ。複数あるパソコンのうち、1台を宛先アドレスに指定して通信を行うの。

IPアドレスって何?

あのー、IPアドレスって何でしたっけ?

あなた本当に情シス? IPアドレスは、例えるならパソコンの「住所」のことよ。インターネット上で広く使われているプロトコルをTCP/IPって言うのだけど、IPアドレスはこのTCP/IPにおいて通信相手になる、パソコンなどのホストを識別するために必要なのよ。

テ、テ、テ、ティーシーピー?

ごめんなさい、つい飲み会のノリで話しちゃったわ。TCP/IPっていうのは、通信を行うための決まりのようなものよ。プロトコルって言うの。TCPはネットワーク上で「正しくデータが送られたことを保証する仕組み」を取り決めていて、IPは「複数のネットワークをつないで、その中をデータが流れる仕組み」を取り決めているのよ。

(どんな飲み会なんだろう…)なるほど、そのTCP/IPというのはわかりました。

それでIPアドレスは、32ビットの数値で表された2進数の数値を8ビットずつに区切り、それぞれ10進数で表したものよ。

ビットってパソコンの話題で出てきますね。

そうね。32ビットの2進数の数値を適当に挙げると、例えば「11000000101010000000000100000011」みたいな感じね。

果てしなくわけわからない数値ですね。

これを8ビットずつに区切ると「11000000/10101000/00000001/00000011」になるわよね。それぞれ10進数にすると「192.168.1.3」になるの。これがIPアドレスよ。

IPアドレスを10進数にすると、とても見やすいですね。

ちなみにIPアドレスは、ネットワークごとに分かれる「ネットワークアドレス部」と、そのネットワーク内でコンピュータを識別するための「ホストアドレス部」に分解できるの。自宅で例えるなら、前者が「住所」、後者が「名前」になるね。

なるほど。つまりユニキャストアドレスは1対1の通信で使われるIPアドレスってことですね。

ほかのIPアドレスの種類について

ところで、IPアドレスにはほかにも種類があるの。それが「エニーキャストアドレス」「マルチキャストアドレス」「ブロードキャストアドレス」ね。

いきなり3つの聞き慣れない用語が登場して、正直パニックです!

落ち着いて! 1つずつ説明するね。

エニーキャストアドレス

エニーキャストアドレスは、複数の機器・端末に割り当てられたIPアドレスのことで、ネットワーク的に距離が最も近い機器にパケットが配信されるものなの。サーバーの分散配置などに使われているわ。分散配置を行う理由は、仮に1つのサーバーが故障しても、ほかのサーバーによって運用が続けられるようにするためなの。

マルチキャストアドレス

マルチキャストアドレスは、特定の決められた範囲内の複数ホストに送信するIPアドレスのことよ。「特定の範囲」というのがポイントね。一方で、不特定多数の複数ホストにデータを送信するIPアドレスのことを「ブロードキャストアドレス」というの。

なぜ特定の範囲と、不特定の範囲に分けられているのですか?

マルチキャストアドレスは、特定のグループと通信するから、任意の相手に情報を送れるから比較的通信への負荷を和らげることができるわ。その点、ブロードキャストアドレスだと、同一のネットワークにつながる全てのコンピュータに一斉に送信してしまうから、通信に負荷が掛かってしまうわ。

ユニキャストアドレスの2種類のアドレス

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そうそう。ユニキャストアドレスには2つあって、「グローバルユニキャストアドレス」と「リンクローカルアドレス」があるのよ。

そのユニバーサルスタジオジャパンというのはなんですか?

グローバルユニキャストアドレスよ! IPv6(アイピーブイシックス)ではこの2つね。

『WAになっておどろう』とか好きですね。

そう来ると思ったわ。IPv6というのは、2進法の128桁で表現されるIPアドレスのことよ。利用できるIPアドレスの数は合計で約340澗(かん)個という膨大な数なのよね。

世代じゃないですが、『愛は勝つ』とか好きですね。

だからなんでさっきから歌の話なのよ! 澗(かん)っていうのは歌手のKANさんのことじゃなくて、10の36乗のことよ。ほぼ無限にIPアドレスを割り当てられるわけ。さっきIPアドレスの話をしたけれど、その時は2進法の32桁って話したよね。これをIPv4って言うのだけど、使えるIPアドレスの数は合計で32億個なの。インターネットができた当初は「余裕じゃん」だったのだけど、全世界でインターネットを使う人が増えたことや、1人でたくさん端末を持つようになってから、IPアドレスの枯渇が問題になったのね。だからIPv6が使われるようになってきているの。

今やパソコンとスマホとタブレットを全部持っている人も珍しくないですからね。

ユニキャストアドレスその1:グローバルユニキャストアドレス

グローバルユニキャストアドレスは、インターネット上で通信できるIPアドレスのことよ。グローバルアドレスとも言われるわ。IANA(アイアナ。インターネット番号割当機関)が管理しているの。

インターネット上で使うIPアドレスってことですね。

そうね。で、グローバルユニキャストアドレスは、自分の家や会社などのネットワークを表す「グローバルルーティングプレフィックス」、余計な通信を省くためにネットワークを小分けにしたサブネットを識別するために割り当てられる「サブネットID」、ホストの「インタフェースID」の3つのフィールドで成り立っているのよ。

ユニキャストアドレスその2:リンクローカルアドレス

リンクローカルアドレスは、基本的には直接つながっているノードとの通信のみに使われるの。ノードっていうのは端末とか機器のことね。このアドレス宛に送信されたデータはルータを越えることがなくて、職場内のネットワークでしか使うことができないの。

同じサブネット内でのみ通信できるIPアドレスということですね。

ユニキャストアドレスを使った通信のメリット・デメリット

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ユニキャストアドレスにはメリットがあるけれど、デメリットも存在するの。ここで、ユニキャストアドレスのメリット・デメリットについて説明していくね。

ユニキャストアドレスを使った通信のメリット

まずメリットだけど、ユニキャストアドレスはさっき話したTCPのプロトコルを使うの。TCPは送信先から返答がない場合には、パケットを再送することでデータが届かないことを防げるの。だからユニキャストアドレスは信頼性があると言えるわね。

TCPについては耳に焼き付くほど覚えました!

焼き付けるのは目ね。で、マルチキャストアドレスの場合は同時に複数の受信者にデータを届ける性質があるって話したと思うのだけど、そのためにTCPは使えないのね。かわりに「UDP」という通信プロトコルを使うの。これは「受信側に毎度確認を取らずにデータを送信する方法」ね。TCPは送信先から返答がない場合は再送してデータが届かないという不具合を防いでいるけど、UDPはパケットの再送を一切行わないからTCPと比較して信頼面で劣るのよ。

つまりTCPとUDPって、それぞれどんな用途に使われているのですか?

TCPだと「Webサイトの閲覧」とか「メール送受信」とか、「ファイル転送」などに使われているわね。一方のUDPは、ネット上で音声通話を可能にする「VoIP」とか、多拠点でのWeb会議なんかに使われているわ。

ユニキャストアドレスを使った通信のデメリット

反対に、ユニキャストアドレスのデメリットって何ですか?

データを受信する人の分だけデータ送信量が増えてしまって、送信側の負担が大きくなってしまうところね。これはユニキャストアドレスが1対1の通信形式であるがゆえ仕方がないことなのだけど…。

いちいち1対1で通信していたら、データ送信量も増えますしね。

一方のマルチキャストアドレスは、ネットワーク機器がデータを自動的に複製してくれるの。だから1回の送信ですべての受信者に情報を届けられるのね。たとえ送信先が複数だったとしてもインターネット回線にアクセスが集中して通信速度が低下する輻輳(ふくそう)が発生しないから、大容量のデータを効率よく配信できるのよ。

でた、輻輳! 以前教えてもらいましたね。

▶ネットワークの輻輳とは?道路交通に例えながら基礎を理解

そうね。ちなみにブロードキャストアドレスの場合、同一ネットワークのすべてのホストに対して一斉に同じデータを送信するの。だからこれも通信を圧迫してしまうのね。

マルチキャスト通信をユニキャスト通信に変換して両者のメリットを活かす

マルチキャストでのデータ通信をユニキャストでの通信に変換できれば、帯域幅(ネットワークにおいては、ほぼ通信速度の上限を意味します)を確保したままで通信できます。サーバー等機器には、マルチキャストをユニキャストに変換できるものもあります。

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通信環境についてお悩みの場合は、ぜひお問い合わせください。御社のお悩みを解消いたします。

 

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