ネットワーク管理機能を使いこなしてもっと効率的に!HPE Networking Instant Onの「クラウド管理」とは【後編】

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あらゆる職場でWi-Fiが当たり前に使われるようになり、ネットワーク管理の負担は年々大きくなっています。特に、IT専門スタッフのリソースが限られる中小企業では増大する負担に応えるため、効率的で使いやすいネットワーク管理が喫緊の課題となっています。ネットワーク機器をリモートで管理できる、HPE Networking Instant Onの「クラウド管理」に注目が集まっているのも、そのためです。クラウド管理機能により、管理者は必要なときに必要な対応を、場所を問わず実施できるようになり、業務効率は大きく向上しています。 

今回は、HPE Networking Instant Onのクラウド管理のより実践的な活用方法について、前回に引き続きHPE Networking Instant Onを担当する中村裕也さんと横山健人さんのお二人に詳しくお話を伺いました。管理者権限の使い分けによる運用効率の向上や、スケジューリング機能を活用した自動化など、クラウド管理機能を最大限に活用するためのヒントをご紹介します。 

 

▶前編はこちら 

管理者権限を使い分けて運用負担を軽減

Q:Wi-Fiにつながる機器やアクセスポイントの増加による、ネットワーク管理者の負担を軽減するにはどうすればいいでしょうか? 

 

中村さん:HPE Networking Instant Onには、複数のアクセスポイントやスイッチを、クラウド上から遠隔で管理や設定が行えるクラウド管理機能が搭載されています。この機能を使うと、担当者がアクセスポイントの設置された場所にいなくても、インターネット経由でネットワーク機器の設定や監視、メンテナンス、遠隔での再起動などリモート操作を行えます。 

 

クラウド管理画面にログインして、データの閲覧や設定変更を行うには、「管理アカウント」を作成する必要があります。この管理アカウントは複数作成でき、それぞれ権限はアカウントごとに設定ができます。複数のアカウントでネットワーク管理の作業を分担すると、負担を大幅に軽減できます。 

 

横山さん:管理者権限(管理者ロール)は、4種類から選べます。 

 

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  • 「管理者」:設定変更から監視、メンテナンス、さらにはサイト(ネットワーク機器の管理単位)の削除まで、すべての操作が可能。 
  • 「オペレータ」:ほとんどの操作が可能ですが、サイトの削除や他のアカウントの管理はできません。 
  • 「委任」:SSIDのパスワード変更や、ロケーターLEDの点滅(該当デバイスを探す際にLEDを点滅させる機能)など、既存のネットワーク環境に変更を与えない範囲で、限定的な設定変更が可能です。 
  • 「閲覧者」:状態の確認のみで設定変更はできません。 

 

例えば、複数の店舗がある場合、本社のIT管理者は全権限を持つ管理者として設定し、各店舗の店長さんには必要な権限だけを与えるといった使い方ができます。店舗の方には設定は変更させたくないけれど、状態は確認してほしい、エラーの内容は把握しておいてほしい、といった場合に便利ですね。 

 

中村さん:「店舗のWi-Fiがつながらなくなった」といったトラブルの場合でも、現地のスタッフが状況を確認して対応できる原因であれば、わざわざIT管理者に連絡する必要もありませんし、事前に状況を確認して共有できればIT管理者の作業も減らせます。このように権限を適切に分担することで、運用負担を分散できます。 

 

管理者権限の設定機能は最近のアップデートで追加されたもので、特にIT管理者が少ない企業にとって、大きなサポートになると考えています。リモートワークにも対応できますし、運用負担の軽減に大きく貢献できると思います。 

スケジューリング機能でWi-Fiの稼働時間を自由自在に

Q:管理の負担軽減に役立つものとして、作業を自動化できるような機能はありますか? 

 

横山さん:Wi-Fiの稼働時間を管理できるスケジューリング機能を上手に使うのも、負担軽減に役立つと思います。HPE Networking Instant Onのスケジューリング機能では、ネットワークごとに異なる設定ができます。例えば、従業員用のネットワークは終日利用可能にしつつ、来客用のゲストネットワークは営業時間内だけ利用可能にする、といった柔軟な運用が可能です。 

 

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中村さん:セキュリティ用の監視カメラや休業日にも通信を行う事務機器など、従業員がいないときにも24時間ずっと接続する必要のあるIoTデバイスもあります。そのようなデバイスが接続するWi-Fiネットワークは24時間稼働させるという設定もできます。Wi-Fiの稼働時間を必要最低限に抑えることでも、管理負担の軽減につなげられます。 

 

先ほどの管理者権限と組み合わせると、より便利です。営業時間や営業する曜日に変更があった場合も、現場のスタッフに適切な管理者権限を付与しておけば、現場の状況に合わせてフレキシブルにネットワークの稼働状況を変えることができます。 

アクセスポイントのWi-Fiから危険なサイトへの接続を制限することも可能

Q:アクセス先の種類を限定した通信のブロック機能や、SSID単位でのアクセス制限もできるのでしょうか。 

 

横山さん:マルウエアをダウンロードさせるサイトや、フィッシング詐欺に使われたサイトなど、悪意のあるサイトやリスクの高いサイトへはアクセスできないように、HPE Networking Instant Onのアクセスポイントで制限をかけることもできます。不特定多数のお客さまが使うスマホやPCのすべてに、セキュリティソフトが入っているとは限りません。危険なサイトにあらかじめアクセスできないように設定すれば、安全性を高められます。ゲスト用のWi-Fiだけでなく業務用のWi-Fiのセキュリティ強化にももちろん役立ちます。 

 

この設定は「ポリシー」の項目から行えます。スマホアプリでの手順は次の通りです。 

 

  1. 1. ホーム画面を左にスワイプして「アクティブポリシー」のパネルをタップ。 
  2. 2. 画面右下の「+」ボタンをタップ。 
  3. 3. ポリシータイプの設定は「アプリケーション」を選択し、「続行」をタップ。    
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  1. 4. ルールは「ブロック」を選択。アプリケーションカテゴリから、「悪意・リスクのあるサイト」のみを選択し、左上の「」をタップ。 
  2. 5. アプリケーションカテゴリの欄に「16個中1個のアプリケーションが選択されました」と表示されたのを確認して、「続行」をタップ。 
  3. 6. ポリシーの名称を入力して完了。 

 

「悪意・リスクのあるサイト」以外のカテゴリへのアクセス制御も、もちろん可能です。 

「ポリシー」で表示されるカテゴリは16種類に分類されています。 専門機関がURLごとに評価して分類された客観的なもので、このカテゴリを複数選択してアクセス制御もできます。例えば業務以外のアクセス先には接続できないように「成人向けコンテンツ」「ゲーミング」「ストリーミング」などと、複数のカテゴリの通信を制御することもできます。

 

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アクセス先を制限する機能のほかに、アクセスする端末を定期的に監視するのに便利な機能もあります。それが「ウォッチリスト」です。常にWi-Fiに接続している必要がある重要な端末が、接続されなくなったときにすぐに通知を受け取れます。 

 

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指定した端末からのアクセスを手動で個別にブロックして、アクセスポイントに接続させない端末の「ブロックリスト」を作る機能もあります。加えて、ネットワークの設定画面から、未知の端末からのアクセスを防げる「特定クライアント」機能を使うこともできます。 

 

中村さん:また、同じSSIDに接続している端末間でのアクセスを制限する設定や、あるSSIDに接続するユーザー単位で帯域制限を設けて帯域の確保をするといったきめ細かな制御もクラウド管理で可能です。 

中小企業の担当者が本当に必要とする機能が充実

Q:「アクセス機器の管理」「機器のスケジュール管理」「アクセス先の制限」「端末の接続管理」など、クラウド管理でまとめて行えることが分かりました。メリットについてあらためて解説いただけますか。 

 

横山さん:前回の記事で中村も触れましたが、同等の価格帯のネットワーク製品ではクラウド管理に対応していないケースも少なくありません。基本的にローカル接続での管理が前提で、管理者が機器のあるところへ出向いて、サブネットに入って管理画面を開いて……という作業が必要になります。 

 

一方、HPE Networking Instant Onはクラウド管理に対応していて、まとめてオンラインで管理・設定できます。これにより、管理者は自宅や本社オフィスから、他の拠点にあるアクセスポイントやスイッチの管理が可能になります。現地に行く必要がないですし、専任の管理者を現地に置く必要もありません。

 

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さらに、エンタープライズ向け製品に匹敵する高度な管理機能を、非常に使いやすいインターフェースで提供している点も特徴です。HPE Networking Instant Onのクラウド管理を初めて体験したときは、「このレベルの機能がランニングコストをかけずに使えるのは、本当にすごい」とユーザー目線で感じたほどです。UIは初めて触れる方でも見やすく、設定もしやすくなっています。 

 

中小企業のお客さまが本当に必要としている機能を、最適な形で提供できているのが、HPE Networking Instant Onのクラウド管理の最大の強みだと考えています。複雑な設定や専門知識は必要なく、それでいてエンタープライズレベルのネットワーク管理が実現できる。これこそが、多くのお客さまに選ばれている理由だと思います。 

 

中村さん:実際に製品を購入する前に、クラウド管理の便利な機能を確認したいとお考えの方も多いと思います。その場合は、こちらのページから閲覧できるユーザーガイドをご覧いただくことをお勧めします。管理画面でどういった項目が設定できるのか、具体的な操作方法なども詳しく記載されています。 

 

また、実際の管理画面を体験いただけるデモサイトも用意しています。販売店や当社の担当者経由でご依頼いただければ、アクセス可能です。管理画面の使い勝手を事前に確認したい場合はご相談ください。 

 

購入前にクラウド管理画面の使いやすさや、設定の分かりやすさを実感していただけると思います。エンタープライズ製品の機能をより使いやすく最適化し、中小企業のお客さまでも簡単に高度なネットワーク管理を実現できる。それがHPE Networking Instant Onのクラウド管理の真価だと考えています。 

まとめ:HPE Networking Instant Onはシンプルかつ高機能なネットワーク機器!

中村さんと横山さんのお話から、HPE Networking Instant Onのクラウド管理機能を活用すると、「初めの一歩」から「使いこなし」まで幅広いニーズに応えられることが分かりました。 

 

設定変更やアクセス制限、デバイス管理など、あらゆる管理機能がクラウド上で完結するため、複雑な操作や現場への出向も不要。さまざまな職場環境での使い方にも柔軟に対応可能で、管理者権限の使い分けやスケジューリング機能を活用すれば、業務をさらに効率化できます。 

 

シンプルな基本機能で初心者でも安心して使い始められる一方で、エンタープライズ製品譲りの高度な機能も備えており、ネットワーク管理のスキルに応じて段階的に活用の幅を広げていくことができます。ITリソースの限られた中小企業でも、成長に合わせて無理なく管理機能を使いこなせる。それがHPE Networking Instant Onの真価と言えるでしょう。 

著者:常山 剛

 

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コピーライター、編集者。仕事術・生活術を紹介する「ライフハッカー[日本版]」のローンチ前から参画し、2008年の日本版立ち上げ時から編集・ライティングを担当。2011年にライフハッカー[日本版]編集長。メディア運営およびPR企画、広告商品の開発を行う。2012年に自ら企画立案・命名したroomieの編集長に就任。現在はメディア運用経験を生かし、オウンドメディアの編集やコンサルティング、執筆、編集部運営やメディア連携のサポートや提案を行うほか、幅広いジャンルで広告コンテンツの制作・運用も手がけている。

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