パケットロスとは? その原因と改善方法をわかりやすく解説

パケットロスとは、パケットの一部または全てが通信先に正常に届かず、消滅してしまう現象です。インターネットの回線が不安定になっている場合、このパケットロスが発生している可能性があります。またパケットロスによって、音声・映像の品質低下が起こります。

オフィスのインターネット回線が最近遅い…。それはもしかすると、パケットロスという現象が起きているからかもしれません。パケットロスが発生すると、通信の遅延はもちろん音声・映像の品質低下も起こってしまいます。本記事では、パケットロスの解説とその原因、改善方法などについて触れていきます。

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パケットロスとは

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話している限り、パケットについては理解したようね。

はい! インターネット通信する上での取り決めであるプロトコルにTCP/IPが使われているネットワークの場合、通信データをパケットという小さく分割したものを送るのですよね。

そうね。でも、パケットの一部または全てが通信先に正常に届かず、消滅してしまう場合があるの。それを「パケットロス」と言うわ。

パケットロスになるとどうなるのですか?

パケットロスになると、インターネット回線が不安定になってしまうわ。

僕も「推し」が結婚した時は不安定になってしまいますね。

わかるわ~、じゃなくて今はネットワークの話!

パケットロスで起こる影響

パケットロスによってどのような影響が起こるのですか?

次のような影響が出てしまうの。

通信が遅くなる

まずは通信が遅くなるわ。パケットロスによって欠けた部分のパケットは再送信され、そのパケットを埋めることになるのだけれど、再送信する分、通信に掛かる時間が長くなるわね。その結果、通信速度が遅くなってしまうの。

パケットが手戻りしてしまうということですね。

音声・映像の品質低下が起こる

そして音声や映像の品質が低下するわね。最悪の場合には通信が途切れる可能性もあるから、オンライン会議などにも影響が出てしまうの。

オンライン会議が中断するのは絶対に避けたいですね。

パケットロスが起こる原因

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パケットロスが起きる原因は何なのでしょうか?

1つずつ説明していくね。

ネットワークが許容可能なデータ量を上回っている

送信されたパケットは順番に処理されていくの。処理を待っている間は、パケットは機器内の「バッファ」と呼ばれるメモリ領域に格納されていくのよ。

その仕組み、はじめて知りました!

でも、バッファの容量には限りがあるから、パケットがバッファできる上限を超えた場合、パケットは処理されずに破棄されてしまうわ。また古いネットワーク機器を使用している場合は、処理能力が低く、パケットロスになりやすいわね。

輻輳状態になる

「輻輳」状態の時も、パケットロスになりやすいの。

輻輳は、インターネットへのアクセスが集中することでネットワーク回線が混雑する現象ですよね。
▶ネットワークの輻輳とは?道路交通に例えながら基礎を理解

その通り。輻輳になるとネットワーク機器への負荷が高まって、パケットロスが発生しやすくなるわ。

Webサーバーやネットワーク機器の問題 

Webサーバーやネットワーク機器に障害が発生している場合にもパケットロスとなるの。

なるほど。機器の問題もパケットロスになるのですね。

また、通信先が海外など物理的に遠く離れた場所にある場合も、経由するネットワーク機器が多くなるからパケットロスが発生しやすくなるわ。

パケットロスを確認する方法(Windows編)

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パケットロスが様々な原因で発生することがわかりました。でもパケットロスが起きているかはどうやって調べれば良いのですか?

実は自分でパケットロスを調べられる方法があるわ。まずはWindowsパソコンでパケットロスを確認する方法を説明するね。

1.コマンドプロンプトを起動する

 

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まずは「コマンドプロンプト」を起動するの。

コマンドプロンプトって何ですか?

パソコンに直接命令文を打ち込んで、Windowsの操作を行えるソフトよ。Windowsに標準で入っているわ。起動の仕方はタスクバー(上部画面参照)の検索フォームに「cmd」と入力してエンターキーを押すだけよ。

2.「ping」の入力

 

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「cmd」と入力したら、画面が真っ暗なウィンドウが開きました!

そう、これがコマンドプロンプトね。ユーザー名のあとに「>」があると思うけど、そのあとに「ping」と「通信先のホスト名(またはIPアドレス)」を入力してみて(例:「PING www.yahoo.co.jp」)。そしてエンターキーを押してね。

3.パケットロス率が表示される

 

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なんだかいろいろな言葉が出てきました。

画面に「パケット数」と書いてあるのはわかる? そして送信が「4」、受信が「4」、損失が「0」となっているのがわかるわね。つまり、この場合、パケットロスは発生していないわ。

パケットロスを確認する方法(Mac OS編)

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Windowsでの調べ方についてはわかりましたが、Macの場合はどのように調べれば良いのですか?

Mac OSでもパケットロスを調べる方法があるわ。Macでパケットロスを確認する方法は、以下の通りよ。

1.ターミナルを開く

 

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まずは「アプリケーション」から「ユーティリティ」に移動して、「ターミナル」を開いてみて。

ターミナルをクリックしてみます。

2.「ping」の入力

 

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次は「ターミナル」ウィンドウで、「通信先のホスト名(またはIPアドレス)」を入力してみて(例:「PING www.yahoo.co.jp」)。

入れてみました!

3.パケットロス率が表示される

 

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成功すると、パケットロス率を表示してくれるわよ。

パケットロスが「0.0%」になっています!

これでパケットロスが発生していないのがわかったわね。

パケットロスの改善方法

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パケットロスが通信のパフォーマンスに悪影響を及ぼすことはさっき教えてもらいました。では、パケットロスを改善するにはどのように対処すれば良いのでしょうか?

いくつか方法があるから、1つ1つ説明していくね。

1.端末やネットワーク機器を再起動

まずは端末やネットワーク機器を再起動してみて。再起動により起動中のプロセスがリセットされて、放熱効果や一時的な不具合の解消が見込めるの。これでパケットロスが改善する場合もあるわ。

再起動、大事ですね。

 2.端末の不要なデータやキャッシュなどを削除

定期的に端末のデータを整理したり、キャッシュを削除したりすることも、パケットロス改善に有効よ。例えばChromeブラウザでも、キャッシュを削除することでパケットロスを減らせるの。

キャッシュの削除も効果があるのですね。

3.端末やネットワーク機器のソフトウェアをアップデート

端末のOSやネットワーク機器のハードウェアを動かすためのソフトウェアを「ファームウェア」と言うのだけれど、これが最新版になっているか確認してみて。もし最新版ではない場合は、アップデートによってパケットロスが減ることがあるわ。

なるほど、アップデートも効果があるのですね。

4.端末やネットワーク機器、ケーブルを買い替える

端末やネットワーク機器のスペックが古いことが原因で、パケットロスにつながる可能性があるわ。端末・機器やケーブル等の新調も検討してね。

端末も定期的に新しくしたほうが良さそうですね。

5.Wi-Fiの電波干渉を解消する

Wi-Fiの電波干渉とは、電子レンジやヘアドライヤーなどの家電製品から発せられる電波と、Wi-Fiの電波がぶつかり合ってWi-Fiが影響を受けてしまう状態よ。その結果、通信が不安定になり、パケットロスが発生することがあるわ。

ヒッチハイクとかするテレビ番組でしたっけ?

それは『電波少年』よ! あなたもアップデートしなさい!

6.ネットワーク機器のQoSの設定を見直す

「QoS設定」の見直しも効果があるわ。QoS設定とは、ネットワーク機器によるデータの伝送を制御し、重要なデータの通信に遅延を発生させないようにする技術よ。

QoSの見直しですね。覚えました!

 7.インターネット回線の契約プランを見直す

インターネット回線の契約プランの帯域幅が不足していることが原因で、パケットロスが発生する可能性も考えられるわね。契約しているインターネット回線業者に相談して、帯域幅を変更してもらうのも1つの方法よ。

今回もたくさん改善方法を知れました!

Wi-Fi機器のリプレイスで改善する場合も

パケットロスは通信が不安定になりやすく、改善したい症状です。しかし、パケットロスを改善する方法は複数あるため、1つ1つ試してみることをおすすめします。また、Wi-Fi機器を新しいものにするだけでも改善する可能性があります。例えば「HPE Networking Instant On」などの機器にリプレイスするのも一案です。

「信頼性が高く、安全で、安定的な通信が可能なネットワーク製品」をお探しならHPE Networking Instant Onがおすすめです。HPE Networking Instant Onは、大企業や官公庁に多く採用されているHPE Aruba Networkingの中小規模向けネットワーク製品です。HPE Aruba Networkingのエンタープライズ製品としての品質も受け継がれており、パケットロスの改善を実現する通信を提供します。また多種多様な業種・用途・規模に向けたアクセスポイント・L2スイッチをご用意しており、自動で最新のセキュリティにアップデートされる安心設計です。

さらに、高度なスキルを持ったネットワーク技術者も不要です。クラウドのネットワーク管理ツールで簡単にスマホやPCからセットアップ、管理できます。そして、多くの法人向けネットワーク製品と異なり、管理ツールの利用にサブスクリプション費用はかかりません。リーズナブルにネットワーク管理ツールをご利用いただけます。

通信環境についてお悩みの場合は、ぜひお問い合わせください。御社のお悩みを解消いたします。

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