ジッター(ジッタ)とは? その原因と解決策について解説

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デジタル回路では、「クロック」と呼ばれるタイミング信号、いわば手拍子に基づいて回路全体および接続された機器が動いています。しかし、ジッター(ジッタ)と呼ばれる事象によって、クロックのタイミングにズレが生じ、システムに誤作動が起きたり機器動作の精度が落ちたりしてしまいます。

本記事では、ジッターの説明からジッターが起きる原因、解決策などについて解説します。ネットワークでジッターが起きた場合に備え、その詳細について理解しておきましょう。

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ジッターとは

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アヤカさん、この前先輩が「ジッターが起きた」と騒いでいました。ジッターというのはどのような現象なのか教えてください!

ジッターというのは、デジタル信号における「揺らぎ」のことね。辞書的な意味だと「イライラする」「イライラさせる」という意味があるわ。ネットワーク通信だと、データ転送にかかる時間が安定せず、送信先に正しくデータが届かなかったり、映像や音声の途切れ、アプリの誤作動などが起こってしまったりすることを指すのよ。

アヤカさんにとって僕の存在はジッターですか?

それは今後の君の成長次第ね。さて、ジッターはカセットテープに例えると、「ワウフラッター」に相当するわ。カセットテープで演奏を録音したものを再生した時、波打つようなビブラートがかったように聞こえたことある? あれがジッターね。

僕、平成生まれなので、カセットテープを見たことがないです!

そ、そうかあ…、じゃあカセットテープで例えるのは無理か…。って私も平成生まれよ!

ジッタリンジンなら知っているのですが。

どこが平成生まれなのよ!

ジッターが起こる原因

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ジッターはどのように発生するのですか?

それを説明する前に、まずはデータが伝わる仕組みから説明していくね。

情報の伝達の仕組み

データは「パケット」というものに細分化されて、等間隔で送信されるの。

スマホなどでパケットという言葉をよく耳にしますね。

パケットは通信データを小さく分割したひとかたまりのことで、宛先情報であるアドレスが付与されていて、送信先に到着するとパケットはもう一回かたまりになってデータとして伝わるの。

なぜパケットに分割する必要があるのですか?

良い質問ね! パケットに分割する理由は、そうしたほうが回線を圧迫しないからよ。もしパケットを分割せずにそのままのデータで送信してしまうと、ネットワークに流せるデータの許容量を超えてしまって、その間ほかの人がデータ通信できなくなってしまうの。それを避けるために、パケットに分割しているのね。

分割って大事ですね。僕も毎晩アジを細分化して、なめろうにして食べています。

意外と渋いわね。

ジッターの原因

では、ジッターが起こる原因を教えてください!

ジッターはインターネットにアクセスが集中して、ネットワーク回線が混雑してしまう「輻輳」とか、パケットの遅延などによって発生するわ。
▶ネットワークの輻輳とは?道路交通に例えながら基礎を理解

なかなか難しいですね。

ジッターが起こるとどうなるか

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ジッターが起こるとどうなってしまうのでしょうか?

様々な不具合が起きてしまうの。

データ(1か0か)の読み違えが起こる

まずは「クロック」の不具合ね。コンピュータなどの電子機器には様々な装置が入っているのは知っているよね。でもそれらがバラバラに動いてしまうと、コンピュータが正常に動作しないの。

パソコンなどの機器は正確に動くことが大事ですよね。

だからクロックが手拍子のように動いて、機械の中の装置同士がタイミングを合わせられるようになっているの。クロックは「ロー(0)」と「ハイ(1)」を繰り返しているのだけれど、このローからハイ、もしくはハイからローに移る部分を「クロック・エッジ」というのよ。

僕も喫茶店でよく食べます!

それはクロックムッシュね。で、クロック・エッジのうち、ローからハイに上がることを「立ち上がりエッジ」と言うのだけれど、この時にもしデータ信号かクロックのどちらかにジッターが発生すると、データつまり「0」か「1」かの読み違えが起こってしまうの。

その読み違えによってアプリの誤作動などが起きるわけですね。

機器動作の精度が悪化する

あとは、機器動作の精度にも影響を与えるわね。例えばアナログからデジタルに変換することを「A/D変換」と言うのだけれど、その時に「標本化(サンプリング)」という作業があるのね。例えば人の声を録音する時を考えてみましょう。声は空気の振動だけど、これはアナログ情報よね。それをデジタル情報に変換する時には、データを一定期間ごとに抽出してデジタル化するの。このアナログ情報の測定のタイミングを決める信号を「サンプルクロック」と言うのね。そしてこの1秒間に何回データ抽出するかを「サンプリング周波数」と呼んでいるわ。

なるほど。アナログをデジタルに変換する時には、そのような仕組みになっていたのですね。

そして、サンプリング周波数は、一般的に「Hz(ヘルツ)」という単位が用いられているわ。この数値が大きいほど処理回数も多く、高音質になるのだけれど、その分データ量も増えてしまうの。

ズンチャッチャ、ズンチャッチャ…。

それはワルツね。それでこのサンプリングクロックにジッターが起きると、声の音源にも揺らぎが起きるから、入力信号にノイズが入ったことと同じ状況になるの。だから、サンプリングの精度に悪影響が出てしまうわ。

ジッター問題を解決するための解決策

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ジッターが悪影響を及ぼすことがわかりました。じゃあどうすればジッターを減らすことができるのですか?

いくつか対処法があるから、順を追って説明していくね。

インターネットの速度をチェックする

まずはインターネット速度の確認ね。ネット回線速度がジッターの発生に影響している場合があるわ。

とりあえず回線速度をチェックして、いつもより遅くなっていないか確認ですね。

ネットワーク接続の確認

インターネット速度に問題がなければ、次はネットワーク機器などの確認ね。ルーターやケーブルに不具合はないか、ネットワーク設定に誤りがないかを確認することになるわ。意外と見落としがちなのが「ワイヤレス干渉」ね。これは同じ周波数の中に多くの無線が飛び交って、干渉してしまうことで起こるの。ジッターが発生する原因になるわ。

僕、最近涙もろくなっているのですよね。

それは感傷ね。世の中に無線機器が増えて、ますますワイヤレス干渉が起こりやすくなっているのかもしれないね。

デバイスをリセットする

ここまでの手順で解決しない場合、モデムやルーターなどをいったんリセットしてみて。デバイスを再起動するとジッターが解消する可能性があるわ。

時にはリセットすることも大切ですね。

ファームウェアを更新する

ファームウェアと言って、ハードウェアを動かすためのソフトがあるのだけれど、これを更新していない場合にジッターが起こる場合があるの。だからデバイスを最新の状態にする必要があるわね。

デバイスメーカーのホームページなどで、ファームウェアの更新情報を確認するのが良さそうですね。

有線接続を試す

ワイヤレス接続をしている場合、LANケーブルを直接つないでみるのもありね。有線接続をしてみてジッターが発生しなければ、ジッターの原因がワイヤレス接続にあったことがわかるわ。

直接LANでつないでみるのも大事ということですね。

VPNを使用する

VPN接続をしてみるのも手ね。VPNとは仮想的に独立した専用回線のことで、これを使った接続方法をVPN接続というの。VPN接続をすれば、ジッターの発生を減らすことができるわ。

VPN接続も試してみたほうが良いということですね。

ジッターバッファを使う

ジッターバッファというものもあるわ。これはネットワーク上で発生した揺らぎや遅延などを吸収して、一定間隔で音声データなどを再生できるようにするものなの。これを使うとジッターを抑えることができて、パケットがスムーズに送信できるようになるわ。

これは効果がありそうですね!

でも、バッファはパケット送信を遅らせてしまうから、遅延を招く原因になるの。つまり、ジッターバッファを使うことで、ジッターは抑えられるけれど、遅延が発生してしまうわ。

ジッターと遅延のトレードオフの関係が起こるということですね。

周波数帯を変える

最後に回線の周波数帯を変えるという方法を紹介するね。一般的にWiFiの周波数帯には2.4GHzと5GHzがあるのはなんとなくわかっているとは思うけれど、2.4GHzはWiFiに限らず様々な電子機器に利用されているの。だから、ほかの機器の干渉を受けやすく、速度低下を引き起こしてしまうデメリットがあるわ。その一方で、遠くまで電波が届きやすいというメリットもあるの。

2.4GHzだとワイヤレス干渉が起きてジッターが発生しそうですね。

一方、5GHzは電波が遠くへ届きにくいというデメリットがあるけれど、ほかにこの周波数を使っている機器が少なくて、干渉を受けにくいメリットもあるわ。だから、もしジッターが起こってしまったら、5GHzに切り替えることを試してみると良いかもね。

安定したネットワーク通信を採り入れ、円滑なビジネスを

ジッターが発生すると、データが正しく相手に届かなかったり、アプリケーションの誤作動を起こしてしまったりするなど、円滑なビジネスを阻害してしまう原因となります。そのため、ネットワーク上で対策を講じる必要があります。

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