ソリューション
・Aruba Instant On AP17(屋外用)
・Aruba Instant On AP11
課題
・新たな運営システムのためプールサイドにも Wi-Fi 環境を整備したい
・シビアな環境でも安心して使い続けられる AP を導入したい
・クラブ運営の効率化などを通じて地域に貢献したい
▽
効果
・ 3 台の AP でプールサイドにも安定した Wi-Fi 通信を実現
・屋外用 AP で設置にも配慮し、安心して利用可能に
・運営システムが定着し、利用者の利便性も向上
大阪市港区の「ショウエイスポーツクラブみなと」と四條畷市の「ショウエイスポーツクラブ四條畷」の 2 施設を持つショウエイスポーツクラブでは、これまで紙を主体としてきた業務を変革すべく、新たなクラブ運営システムを独自に開発して利用している。スタッフの業務効率化や、利用者の利便性向上を図っての取り組みで、その機能を順次拡充中だ。
インストラクターは、このシステムをプールサイドでもタブレット端末から利用する。そのためショウエイスポーツクラブでは、これまでなかったプールサイドにも Wi-Fi 環境を構築するため、新たに Aruba Instant On を採用した。アクセスポイントは設置環境を考慮して屋外用を選定。利用する端末の台数などを考慮して台数は 3 台設置している。
ショウエイスポーツクラブの運営母体は、大阪市に本社を置く松栄株式会社。不動産関連を中心に手広く事業を手掛けており、スポーツクラブの運営は同社スポーツ事業本部が担っている。このうちショウエイスポーツクラブみなとは、もともと 1984 年に松栄がスイミングスクールとして開業した。以前は松栄グループ外の会社が運営していたが、2022 年からは松栄が直営で運営している。
その運営移管の際に導入されたのが、新たなクラブ運営システムだ。松栄がショウエイスポーツクラブのため独自に開発しているシステムで、時代に合わせてペーパーレス化など職員の業務効率向上、および施設利用者のセルフサービス化などの工夫が盛り込まれている。
チーフインストラクターの浅尾篤志氏は、「このシステムでは、インストラクターがタブレット端末を使い、スクール生徒の出欠確認や、テストの成績入力などを行います。また、スクール利用者側は、入会や予約など、さまざまな手続きをスマートフォンからできるようになっています。以前は全て紙の書類を使い、プールサイドでも出欠やテスト成績などを紙に記入していましたが、電子化されることで紙書類の問題がなくなると同時に、情報が瞬時に伝わるようになりました。例えば保護者の方が、スクールに通っているお子さんのテスト合否などの情報をリアルタイムで、別の場所にいても確認することが可能になっています」と説明する。
チーフインストラクター
浅尾篤志氏
スポーツ事業本部へのクラブ運営移管に当たっては、この運営システムのため Wi-Fi 環境の整備が必要になった。
以前から、業務用の機材のため事務室やコーチ室に Wi-Fiが設置されていたものの、プールサイドには整備されていなかった。
「プールサイドでインストラクターが使う機能には、出欠確認など重要なものが多いですから、ここにも Wi-Fi の拡充は必須です。そこで付き合いのあるネットワークの構築・運用をしているパートナー企業と相談し、機材の選定や設置場所・台数の検討など協力してもらいました」(浅尾氏)
このプールサイドに設置されたアクセスポイント(AP)は、プールの広さやタブレットの同時利用数などを考慮し、屋外用機種である Aruba Instant On AP17 が 3 台となった。浅尾氏は、その理由を以下のように説明している。
「タブレット端末を同時に 8 台ほど使うことや、水面での電波の反射なども考慮して、AP を 3 台使うという提案を受けました。また屋外用を選んだのは、プールサイドの環境を踏まえてのことです。実際、普通の屋外より厳しいかもしれません。湿度はほぼ常に 100%ですし、加えて消毒用の塩素もあって、剥き出しの鉄などがあればすぐ錆びてしまいますから。AP 本体を耐環境性に優れた機種とするだけでなく、業者は設置の際、ビスなどが剥き出しにならないよう工夫してくれました」
また同時に、事務室やコーチ室には、既存 AP に代えて屋内用の Aruba Instant On AP11 が導入されている。
ショウエイスポーツクラブでは、四條畷市にあるショウエイスポーツクラブ四條畷でも、同様の経緯で 2021 年から松栄の直営としている。同じくプールサイドに屋外用のAruba Instant On AP17 を 3 台設置し、共通のクラブ運営システムを使っているという。どちらの施設でも、導入したAP は問題なく稼働しており、特に問題はないとのことだ。
「Wi-Fi が止まるとインストラクターが仕事できなくなってしまいますから、故障や問題がないのは助かります。今後も止まらずにいてほしいですし、もしトラブルがあったときには導入してくれたパートナー企業のサポート対応にも期待しています」(浅尾氏)
プールサイドでインストラクターがシステムを使うため、Wi-Fi の拡充は必須です。普通の屋外より厳しいプールサイドに、耐環境性に優れた Aruba Instant On の屋外用 AP を採用し、設置業者にも金属が腐食しないよう配慮してもらいました。故障や問題がないのは助かります。
浅尾篤志氏
プールサイドで安定した Wi-Fi 環境が整い、クラブ運営システムも安心して活用することができるようになった。クラブ職員たちは、システムを使いこなしていく中で、その業務効率化などの効果を実感しつつある。
「職員やインストラクターの中にはアナログ派の人もおり、特に最初は、これまで慣れ親しんできた紙書類からの業務の違いに戸惑う場面もみられました。その点、むしろクラブに通う子供たちや、その保護者たちの方が、すぐ馴染んでいるようです。とはいえ職員たちも次第に使いこなせるようになってきて、『便利になった』という感想が聞かれます。データは全てシステム上にありますから、紙書類で仕事をしていた頃と違い、『あのデータどこ?』といって書類を探すようなこともなくなりました」(浅尾氏)
また、事務室なども同じ Aruba Instant On で統一したことにより、施設内の業務用 SSID は全て共通化された。APの管理も一元化され、万が一のトラブル時などにも対応しやすくなっている。
とはいえ、このクラブ運営システムは、まだ開発途上だという。当初計画の機能が完成するのは 2023 年 4 月の予定で、その目標に向けて完成した機能を順次リリース中とのことだ。浅尾氏は、施設の運営を今の時代に合わせて便利にしていくことが重要だと語る。
「スイミングスクールは、多くが地域密着型です。ここショウエイスポーツクラブみなとも、40 年あまりの歴史を通じて、地域の子供たちのため貢献し続けています。人が人を教えるという仕事はとても大切なことだと思っていますので、それをなくさないためにも、運営をより効率化し、利用者がより便利になるよう、努力や工夫を続けていくことが必要だと思います。今回のシステムや Wi-Fi の整備も、その一環と言えます」
クラブ運営システムは、2023 年 4 月以降にも機能拡充や改良が続けられるという。すでに、クラブに通う子供たちを送迎するスクールバスの運行管理などを取り入れることが検討されている。
なお、取材時には、たまたまプール工事で校内のプールが使えない近隣の小学校から、授業の一環としてショウエイスポーツクラブみなとを訪れ、引率してきた教員から水泳の授業を受けていた。
「この授業は、校内施設の改修工事という特別な事情があって行われているもので、継続的な取り組みではありません。とはいえ、必要があれば地域連携、地域貢献として当クラブも近隣の学校などと協力する場面が今後まだあるかもしれません。今回整備した Wi-Fi 環境は今のところ業務専用となっており、施設利用者に提供しているものではありませんが、学校でも IT 化が進んできていますから、先生方から要望があればゲストとして提供するなどの可能性もあると考えています」(浅尾氏)
ショウエイスポーツクラブみなとの事務室。コーチ室やプールとは別フロアにある 事務室天井に設置されたAruba Instant On AP11
ショウエイスポーツクラブ様(松栄株式会社スポーツ事業本部)
大阪市港区の「ショウエイスポーツクラブみなと」と四條畷市の「ショウエイスポーツクラブ四條畷」の 2 施設を運営するスイミングスクール・スポーツクラブ。地域の幼児や児童から成人まで、幅広い利用者にスイミングやフィットネスサービスを提供。
https://shoei-sports.com/
大阪府四條畷市米崎町 12-21